稼働監視の設計

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稼働監視の設計

本設定例の設備要件

この設定例では、以下のような要件の監視対象設備があるものとします。

 

ある部品生産のための工場内に、生産を行うための機械設備が、5基設置されている。

5基の機械設備には、それぞれ「運転中」「停止中」を表す信号を外部に出力するための接点が用意されているものとする。

 

上記の機械設備の「運転中」「停止中」の信号を取り込み、簡易的な稼働監視を行うこととします。

 

運転、停止の状態を、左ランプの表示灯および表示枠の背景色の変化で表現する。

メッセージ表示は使用しない。

生産実績の取り込みは行わない。

「稼働時間」「稼働回数」「停止時間」「停止回数」「連続稼働時間」「稼働率」をデータ表示する。

 

 

■取り込み対象信号(例)

 

リモートI/Oなどの下位側機器を介して、以下の接点信号の取り込みを行う事とします。

また、この例では、全ての接点信号の取り込みを、1台の下位側機器「機器1」を介して取り込むものとします。

 

設備タイトル

設備サブタイトル

取込信号

取込方法

備考

機械設備01

部品P01

運転中

機器1/DI/接点取込

ON:運転中



停止中

機器1/DI/接点取込

ON:停止中

機械設備02

部品P02

運転中

機器1/DI/接点取込

ON:運転中



停止中

機器1/DI/接点取込

ON:停止中

機械設備03

部品P03

運転中

機器1/DI/接点取込

ON:運転中



停止中

機器1/DI/接点取込

ON:停止中

機械設備04

部品P04

運転中

機器1/DI/接点取込

ON:運転中



停止中

機器1/DI/接点取込

ON:停止中

機械設備05

部品P05

運転中

機器1/DI/接点取込

ON:運転中



停止中

機器1/DI/接点取込

ON:停止中

 

 

hint

上記の「機器1」の部分には、PLC、リモートI/Oなどの、Panel Serverから接続する下位側機器を当てはめて検討してください。設備から信号を取り込む方法としては、様々な方法が考えられます。「稼働状態収集のためのタグ登録」には、信号の取り込み方法の具体例がいくつか紹介されています。実際のシステム構築の際の参考としてください。

 

 

ユニット/タグの設計

上記の設備要件をもとに、本システムが取り込む必要のある信号のリストを「タグリスト」として設計します。

 

■タグリスト(例)

 

この例では、下位側機器「機器1」と接続するためのユニット名を「U01」として定義し、U01配下に接点信号取り込み用のタグを定義する事とします。

 

No.

信号名称

ユニット

フォルダ

タグ

アドレス

タイプ

備考

1

機械設備01 運転中

U01

F01

X0000

X0000

ビット

ON:運転中

2

   〃    停止中

U01

F01

X0001

X0001

ビット

ON:停止中

3

機械設備02 運転中

U01

F01

X0002

X0002

ビット

ON:運転中

4

   〃    停止中

U01

F01

X0003

X0003

ビット

ON:停止中

5

機械設備03 運転中

U01

F01

X0004

X0004

ビット

ON:運転中

6

   〃    停止中

U01

F01

X0005

X0005

ビット

ON:停止中

7

機械設備04 運転中

U01

F01

X0006

X0006

ビット

ON:運転中

8

   〃    停止中

U01

F01

X0007

X0007

ビット

ON:停止中

9

機械設備05 運転中

U01

F01

X0008

X0008

ビット

ON:運転中

10

   〃    停止中

U01

F01

X0009

X0009

ビット

ON:停止中

 

 

hint

上記のような設計資料の事を「タグリスト」あるいは「デバイスリスト」などと称します。稼働監視システムに限らず、SCADAによる監視システムを構築する際には、上記のような情報を整備しておくことを推奨します。