タグフィールドマスタ

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タグフィールドマスタ

タグフィールドマスタの定義

タグフィールドマスタ(fieldmaster_tag.csv)は、ロギング対象とするタグを定義するCSV形式のテキストファイルです。サマリアクションを使用する場合、開発者は本マスタファイルを必ず定義す必要があります。また、サマリマスタのルートログセクションのTagFieldMasterプロパティに、タグフィールドマスタのパス名を指定する必要があります。

 

タグフィールドマスタは1つのタグフィールドにつき1行で構成されます。例えば1000個のタグフィールドを扱いたい場合、タグフィールドマスタは1000行で構成されます。以下はタグフィールドマスタの設定例です。

 

タグフィールドマスタ(設定例)

[Name],

[Tag],

[DataType],

[DecimalNum1],

[SummaryType1],

[SummaryParam1],

T000,

U01.F01.T000,

standard,

0,

AVERAGE,

,

T001,

U01.F01.T001,

standard,

0,

AVERAGE,

,

T002,

U01.F01.T002

standard,

0,

ADDINGCOUNT,

"1000000,IGNOREZERO"

 

 

ヘッダ名

説明

[Name]

フィールド名。サマリレポートやヒストリカルトレンドグラフなどから参照するときに使用する名前。名前が重複しないように設定して下さい。[Name]列を省略すると、[Tag]列がフィールド名として扱われます。

[Tag] (必須)

ログの対象となるタグパスです。

[Comment]

任意のコメントを含めることができます。

[DataType]

データの種別です。省略するとすべて"standard"として扱われます。

standard                : 通常のデータ

powerfactor00        : 力率 -0 ~ 1 ~ +0

powerfactor05        : 力率 -0.5 ~ 1 ~ +0.5

powerfactor00p        : 力率 -0 ~ 100 ~ +0

powerfactor05p        : 力率 -50 ~ 100 ~ +50

timesec                : 秒(「時:分:秒」で表現されます)

timemin                : 分(「時:分」で表現されます)

percent                : %で表示 例)元データが55.2の場合、55.2%と表示

percent_100        : 元データを100倍して%で表示 例)元データが0.552の場合、55.2%と表示

timesec_min        : 元データ(秒)が分で表現されます。

timesec_hour        : 元データ(秒)が時で表現されます。

timemin_hour        : 元データ(分)が時で表現されます。

[DecimalNum1] ~

[DecimalNum{n}]

小数点桁数の指定です。

0以上                        : 小数点桁数

-1もしくはなにも指定しない        : 小数点桁数の指定無し

[SummaryType1] ~

[SummaryType{n}]

集計方法の指定です。以下から選択します。タグ毎に集計方法を指定したい時に必須です。

 

キーワード

説明

AVERAGE

平均値。

TOTAL

合計値。

MAX

最大値。

MIN

最小値。

ADDINGCOUNT

積算カウンタ値。積算カウンタ値はリングカウンタを用いて時間毎の値の変化量を求めるためのものです。その多くは結果として積算値を求めるために使用されます(リングカウンタ値として小数も扱えます)。

リングカウンタとはある値(境界値)になると再び0にリセットされるカウンタです。例えば境界値が1000の場合、0から999まで値が増加し、再び0に戻ります(0~999までを繰りかえす)。

 

例として、1時間毎の流量や電力量などを求めたい場合は、PLC側でリングカウンタを作成し、流れた流量や電力量に従いカウンタの値を随時、増加させていきます(境界値になったら再び0から増加させる処理も入れます)。本統計処理を行うことにより、リングカウンタの値から時間毎の流量や電力量を自動的に算出します。

 

積算カウンタには必ずパラメータ([SummaryParam]列)に境界値を設定する必要があります。たとえば0から99まで変化するリングカウンタは境界値を100(つまり最大値99+1)に指定してください。

 

例)境界値が100の場合(0~99)

データ

"2004/01/01 00:00:00", "20"

"2004/01/01 00:20:00"," 49"

"2004/01/01 00:40:07", "70"

"2004/01/01 01:00:00"," 87"

"2004/01/01 01:20:00"," 20"

"2004/01/01 01:40:00", "45"

 

集計結果

"2004/01/01 00:00", "50"

"2004/01/01 01:00", "75"

ADDINGTIME

積算時刻値。時間内で、信号がONの状態の合計時間を求めます。単位は秒です。[DataType]にtimesecを指定すると「時:分:秒」と表示や印刷されます。積算時刻値は秒単位なため、timeminは指定できません。

ADDINGPULSE

積算パルス値。時間内で、ONになった回数を求めます。

START

開始値。時間内のデータの中で最初の時刻のデータです。

END

最終値。時間内のデータの中で最後の時刻のデータです。

COUNT

時間内に含まれるデータの数です。

RANGE

レンジ値(最大値 - 最小値)。

DELTA

差分値(最終値 - 開始値)。

 

attention

[DataType]に力率を指定した場合は、以下の集計方法は指定できません。

TOTAL/ADDINGCOUNT/ADDINGTIME/ADDINGPULSE/COUNT/RANGE/DELTA

 

 

[SummaryParam1] ~

[SummaryParam{n}]

集計方法に対するパラメータ。使用しない場合は[SummaryParam]列は省略することができます。

 

パラメータ書式(共通)

 

各集計方法で共通的に指定可能なパラメータは以下のとおりです。複数のパラメータを指定する場合はカンマ「,」で区切ります。

 

IGNOREZERO ・・ 集計時に0を無視します。

IGNORENUM:指定値 ・・ 集計時、指定値と一致するデータを無視します。

 

例)IGNOREZERO,IGNORENUM:-1 // 0と-1が無視されます

 

 

ADDINGCOUNTパラメータ書式

 

積算カウンタ値(ADDINGCOUNT)の場合、以下のように指定します。

 

CounterBorder [,IGNOREZERO][,IGNORENUM:指定値][,IGNOREOVERMAX:最大値]

 

CounterBorder ・・ 境界値(カウンタの最大値+カウンタの増分単位)

IGNOREZERO ・・ 集計時に0を無視します。

IGNORENUM:指定値 ・・ 集計時、指定値と一致するデータを無視します。

IGNOREOVERMAX:最大値 ・・ 最大値以上変化した場合、無視します。

 

例)境界値は以下のように設定します。

カウンタが0~99999かつ、1ずつカウントアップされる場合、「100000」とします。

カウンタの増分が小数の場合は次の様に設定します。例えば、カウンタの最大値が999.9かつ、カウンタの増分が0.1の場合、「1000」を指定します。

 

例)0を無視したい場合以下のように指定します。

100000,IGNOREZERO

 

※IGNOREZEROは予期せぬ0を受け取った場合、積算カウンタ値が1周分大きくなってしまうことを避けるためのパラメータです。0の時には積算カウンタ値は一時的には増分されませんが、次回の値が1以上に変化したとき0の分も増分します。

 

例)1000以上変化した場合、異常値として判別し無視する場合

100000,IGNOREOVERMAX:1000

 

hint

ADDINGCOUNTのパラメータにIGNOREZEROまたはIGNORENUMを指定した場合に、集計範囲の全ての生データの値が除外対象だった場合(例えば、IGNOREZEROを指定して、全ての生データが0だった場合)の日報等の集計処理方式は、サマリマスタの共通プロパティセクションの「AddingCountIgnoreType」パラメータの設定内容に従って処理されます。

 

[TermOfValidity]

ログを保存する有効期間の設定です。保存するタグ毎に有効期間書式番号、もしくは有効期間書式を指定します。有効期間外の時、ログを空値にする。何も指定しないとすべての期間が有効になります。有効期間書式番号はサマリマスタの[COMMON]で設定します。また書式についてもサマリマスタの[COMMON]のTermOfValidityDefinitionを参照して下さい。

[ReportHeader1] ~

[ReportHeader{n}]

レポートに設定するデフォルトのヘッダ文字列です。デフォルトのヘッダ文字をあらかじめ指定しておきたい場合利用します。実際のレポートのヘッダ文字列はレポートマスターファイル(summary_reportmaster.txt)に保存されます。

[UserParam1] ~

[UserParam{n}]

ユーザが自由に利用できるパラメータ文字列です。サマリレポートグリットコントロールのGetFieldMasterInfoメソッドでブラウザ側から取得できます。

 

 

hint

以下は、サマリアクションのログ機能のみを利用する場合のタグフィールドマスターファイル最小構成です。

 

[Tag]

U01.F01.T000

U01.F01.T001

U01.F01.T002

 

上例は[Name]列が省略されているため、ヒストリカルトレンドグラフなどクライアントから参照する際は、[Tag]列の定義内容を[Name]列として参照されます。

 

 

hint

ルートログを複数定義する場合、タグフィールドマスタをそれぞれのルートログ用に分けて設定することができます。例えば、高速用ログと低速用ログを別々に取得したい場合、それぞれ別々のタグフィールドマスターファイルを定義することができます。タグフィールドマスターファイルのパスはサマリマスターファイルのルートログセクションと集計ログセクションのTagFieldMasterプロパティで指定します

 

例)

[RAW1]

TagFieldMaster=summary_fieldmaster_tag1.csv

...

[RAW2]

TagFieldMaster=summary_fieldmaster_tag2.csv

...

 

 

hint

運用開始後にタグフィールドマスタを修正した場合、修正内容を適用するためには、Panel Serverをいったんオフラインにして、再びオンラインにする必要があります。