FA-Serverとは

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FA-Serverとは

FA-Serverとは?

「FA-Server」は、監視システムを構築するために開発された、日本国産のOPCサーバです。

 

FA-Serverを使用することで、PLCなどの制御機器と通信接続するための「I/Oサーバ」として利用することができます。又、単なるOPCサーバとしての機能以外にも、データロガー、日報集計、FTP転送、タグブリッジ(PLC間のデータをゲートウェイする機能)、外部アプリケーション実行、SQL呼び出し、スクリプト言語などの各種機能を内蔵しており、サーバ側で様々なロジックの構築を行うことができます。さらに、FA-Serverにはクライアントツールとして「FA-Client」が付属しており、トレンドグラフや日報・月報・年報を画面に表示することができます。つまり、単なるI/Oサーバとしての機能のみではなく、監視システムに求められる様々な機能に対応するためのポテンシャルを備えています。

 

以下に、FA-Serverが提供する主な機能について簡単に紹介します。

 

 

FA-Serverの主な機能

ここでは、FA-Serverが提供する機能のうち、最も代表的な機能について簡単に説明します。

 

 

■通信ドライバ

 

PLCやリモートI/Oなどの下位側デバイスとの通信を受け持ちます。FA-Serverは標準で100機種相当のPLC等との通信機能を内蔵しており、対応機種であれば異機種PLCが混在したシステム構成にも対応可能です。その他、OPC、DDEなどの通信インターフェースに対応しており、当該規格に準拠した他社製OPCサーバソフトとの連携も可能です。通信によって取得した各種信号の値は、「タグ」を介して他の機能から利用されます。

 

 

■タグ

 

タグとは、例えるならば共有メモリのようなデータ空間であり、FA-Serverに通信接続する外部アプリケーションやデータロガーなどの各種機能は、タグに対して自由にアクセスすることができます。通信ドライバが定期的に取得したPLCデバイスの値は、常にタグに自動的に反映されます(上り)。また、タグに対して書き込まれた値は、対応するPLCデバイスアドレスに自動的に書き込まれます(下り)。従って、各種機能はタグを介してPLCデバイスにアクセスします。

 

 

■ロギング

 

タグの値をロギングすることができます。対応可能なログデータ形式としては、テキストファイル(CSV)、ODBCデータベースへの出力が可能です。ログデータはFA-Clientの画面上にトレンドグラフとして表示したり、レポートの集計機能の元データとして利用されます。

 

 

■レポート集計(日報・月報・年報)

 

ログデータを日報・月報・年報などのレポート集計データとして自動的に集計することができます。レポート集計データはFA-Clientからの日報画面表示、帳票印字などに利用されます。

 

 

■クライアントツール(FA-Client)

 

FA-Serverには標準のクライアントツールとして「FA-Client」が付属しています。FA-Clientの画面としては、日報画面、トレンドグラフ画面が用意されています。

 

 

■各種サーバロジックの構築

 

FA-Serverのサーバアプリケーションには、メール送信、FTP転送、タグブリッジ(PLC間のデータをゲートウェイする機能)、外部アプリケーション実行、スクリプト言語によるロジックの構築、SQL呼び出しなどの、多くの機能が用意されています。これらの機能を使用することで、サーバ側で様々な処理を簡単に実現することができます。

 

 

hint

FA-Serverは、PC1台のみのスタンドアロンでの運用のほか、複数台のPCを用いたクライアントサーバでの運用や、サーバの二重化による冗長化を行うこともできます。システム構成に関する詳細については、「システムの導入と運用」の章の「システム構成と運用形態」の記述を参照してください。

 

hint

Ver6以降では、FA-ServerのパッケージにFA-Engineが統合されました。FA-Engineとは、VisualBasicなどの開発環境でPLCのデータを扱うためのActiveX形式のライブラリです。FA-EngineのActiceXライブラリにはPLCとの接続に必要な通信ドライバが内蔵されており、ライブラリ自体が通信を行います。従って、作成するアプリケーション以外に通信用の特別なアプリケーションを実行する必要が無く、アプリケーションからのPLCのデバイス値の読み込み、書き込みが可能です。VisualBasicなどで開発するアプリケーションからPLCにアクセスしたい場合は、FA-Engineを使用した構成とする事もできます。FA-Engineに関する事項については、FA-Engineのマニュアルを参照してください。