エネルギー管理のグループ設定例

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エネルギー管理のグループ設定例

グループ設定の具体例

エネルギー管理画面のグループ化の概念には、「ポイントグループ」と「グラフグループ」という2つのグループ化の考え方があります。

 

ここでは、本サンプルで実際に設定されているポイントグループとグラフグループの具体的な設定例を紹介します。

 

 

hint

エネルギー管理のグループ化の基本的な考え方について知りたい場合は「ポイントグループとグラフグループ」を参照してください。

 

 

■本設定例の設備要件

 

この設定例では、以下のような要件の監視対象設備があるものとします。

 

事業体を大きく分けると、「本社」「事業所A」「事業所B」の3つで構成される。

本社は、「1F」(部署1)と、「2F」(部署2)のフロアに分かれている。事業所A、事業所Bは、それぞれを1つの部署として考える。

本社には空調機が3台あり、本社全体で共通的に利用されている。

本社の共用部として、売店、外灯、共用部(エントランスなど)があり、本社全体で共通的に利用されている。

本社には太陽光発電設備があり、当該設備によって発電した電力は本社全体で共通的に利用している。

本社の1Fと2Fの各フロアの面積は概ね7:3の比率となっている。よって、空調機、共用部、および太陽光発電のフロア毎の按分比率を、1Fと2Fで7:3とする。

ガスは本社のみ使用している。全体の親ガスメーターが1つと、1Fのガス使用量がわかる子メーターが1つある。2Fのガス使用量は、全体 - 1F で求めることができるものとする。

計測ポイントとして、外気温度、外気湿度、降雨量のデータを収集している。

 

また、上記の計量ポイント及び計測ポイントとしてサマリアクションに以下のフィールドが登録されており、ロギング、日報集計、月報集計、年報集計が行われているものとします。

 

フィールド名

名称

単位

備考

T000

本社空調機1電力量

kWh

本社共通の空調機。1Fと2Fの使用比率を7:3とする。

T001

本社空調機2電力量

kWh

同上

T002

本社空調機3電力量

kWh

同上

T003

本社1F照明電力量

kWh


T004

本社2F照明電力量

kWh


T005

本社1Fコンセント電力量

kWh


T006

本社2Fコンセント電力量

kWh


T007

本社外灯電力量

kWh

本社共用部。1Fと2Fの使用比率を7:3とする。

T008

本社売店電力量

kWh

同上

T009

本社共用部電力量

kWh

同上

T010

本社ガス使用量(親メーター)

m3

本社全体のガス使用量。

T011

本社1Fガス使用量(子メーター)

m3

本社1Fのみのガス使用量。2Fのガス使用量は、全体 - 1F で求める。

T012

事業所A空調機電力量

kWh


T013

事業所Aコンセント電力量

kWh


T014

事業所A照明電力量

kWh


T015

事業所B空調機電力量

kWh


T016

事業所Bコンセント電力量

kWh


T017

事業所B照明電力量

kWh


T018

外気温度


T019

外気湿度

%RH


T020

降雨量

mm


T021

本社太陽光発電電力量

kWh

本社共通の発電設備。1Fと2Fの使用比率を7:3とする。

 

 

■グループ設定例

 

以下は、上記の前提に基づいたグループ設定の具体例です。

 

グラフグループ

換算グラフ
表示チェック

按分

ポイントグループ

消費・発電

計量ポイント

備考

本社1F 電力内訳

[ ]

70

001 本社 空調電力

消費量

T000 本社空調機1電力量

空調電力は1Fと2Fで7:3で按分する。





消費量

T001 本社空調機2電力量






消費量

T002 本社空調機3電力量




100

006 本社 1F照明電力

消費量

T003 本社1F照明電力量




100

007 本社 1Fコンセント電力

消費量

T005 本社1Fコンセント電力量




70

004 本社 共用電力

消費量

T007 本社外灯電力量

共用電力は1Fと2Fで7:3で按分する。





消費量

T008 本社売店電力量






消費量

T009 本社共用部電力量




70

021 本社太陽光発電

発電量

T021 本社太陽光発電電力量

発電量の7割を1Fとする。

本社2F 電力内訳

[ ]

30

001 本社 空調電力

消費量

T000 本社空調機1電力量

空調電力は1Fと2Fで7:3で按分する。





消費量

T001 本社空調機2電力量






消費量

T002 本社空調機3電力量




100

008 本社 2F照明電力

消費量

T004 本社2F照明電力量




100

009 本社 2Fコンセント電力

消費量

T006 本社2Fコンセント電力量




30

004 本社 共用電力

消費量

T007 本社外灯電力量

共用電力は1Fと2Fで7:3で按分する。





消費量

T008 本社売店電力量






消費量

T009 本社共用部電力量




30

021 本社太陽光発電

発電量

T021 本社太陽光発電電力量

発電量の3割を2Fとする。

本社 ガス内訳

[ ]

100

010 本社 1Fガス

消費量

T011 本社1Fガス使用量(子メーター)




100

011 本社 2Fガス

消費量

T010 - T011

親メータ - 子メータで求める。

本社

[]

100

001 本社 空調電力

消費量

T000 本社空調機1電力量






消費量

T001 本社空調機2電力量






消費量

T002 本社空調機3電力量




100

002 本社 照明電力

消費量

T003 本社1F照明電力量






消費量

T004 本社2F照明電力量




100

003 本社 コンセント電力

消費量

T005 本社1Fコンセント電力量






消費量

T006 本社2Fコンセント電力量




100

021 本社太陽光発電

発電量

T021 本社太陽光発電電力量




100

004 本社 共用電力

消費量

T007 本社外灯電力量






消費量

T008 本社売店電力量






消費量

T009 本社共用部電力量




100

005 本社 ガス

消費量

T010 本社ガス使用量(親メーター)


事業所A

[]

100

012 事務所A 空調電力

消費量

T012 事業所A空調機電力量




100

013 事務所A コンセント電力

消費量

T013 事業所Aコンセント電力量




100

014 事務所A 照明電力

消費量

T014 事業所A照明電力量


事業所B

[]

100

015 事務所B 空調電力

消費量

T015 事業所B空調機電力量




100

016 事務所B コンセント電力

消費量

T016 事業所Bコンセント電力量




100

017 事務所B 照明電力

消費量

T017 事業所B照明電力量


部署別電力ランク

[ ]

100

018 本社 1F電力

消費量

T000 本社空調機1電力量 * 0.7

空調電力の7割を1Fとする。





消費量

T001 本社空調機2電力量 * 0.7






消費量

T002 本社空調機3電力量 * 0.7






消費量

T003 本社1F照明電力量






消費量

T005 本社1Fコンセント電力量






消費量

T007 本社外灯電力量 * 0.7

共用部電力の7割を1Fとする。





消費量

T008 本社売店電力量 * 0.7






消費量

T009 本社共用部電力量 * 0.7




100

019 本社 2F電力

消費量

T000 本社空調機1電力量 * 0.3

空調電力の3割を2Fとする。





消費量

T001 本社空調機2電力量 * 0.3






消費量

T002 本社空調機3電力量 * 0.3






消費量

T004 本社2F照明電力量






消費量

T006 本社2Fコンセント電力量






消費量

T007 本社外灯電力量 * 0.3

共用電力の3割を2Fとする。





消費量

T008 本社売店電力量 * 0.3






消費量

T009 本社共用部電力量 * 0.3




100

020 事業所A 電力

消費量

T012 事業所A空調機電力量






消費量

T013 事業所Aコンセント電力量






消費量

T014 事業所A照明電力量




100

021 事業所B 電力

消費量

T015 事業所B空調機電力量






消費量

T016 事業所Bコンセント電力量





 

消費量

T017 事業所B照明電力量


 

 

■解説

 

ポイントグループには、複数の計量ポイントをポイントグループをまたいで重複して登録することができます。計量ポイントをポイントグループに割り付ける際には演算式を記述することが可能となっており、*0.7などの式を記述することで計量値を按分して取り込んだり(共用部電力の例)、計量ポイント同士の演算結果を取り込むことができます(ガスメーターの例)。

又、グラフグループには、複数のポイントグループをグラフグループをまたいで重複して登録することができます。グラフグループにポイントグループを割り付ける際に按分比率を指定することが可能となっており、ポイントグループの合計値を按分してグラフグループに取り込むことができます。

 

上記のグラフグループの内、「本社全体」「事業所A電力」「事業所B電力」は、換算グラフに表示することを想定して設定しています。グラフグループの設定には換算グラフに表示するか否かのチェックが用意されており、チェックが入っているグラフグループ毎の換算の合計値が、各1本のバーとして換算グラフ上に表示されます。この例では、「本社全体」「事業所A電力」「事業所B電力」にチェックを入れることにより、この3つのグラフグループのそれぞれの合計が3系列のバーグラフとして表示されます。尚、ポイントグループには計量ポイントを重複して登録することができるため、換算グラフの表示時につじつまがあうように(計量値が重複して集計されてしまわないように)設定するようにします。

又、本社では、創エネルギーである太陽光発電設備の電力を「発電量」としておくことで、使用量グラフの消費量・発電量表示などで発電量を表示できるようにしています。

 

上記のグラフグループの内、「部署別電力ランク」はランキンググラフに表示することを想定して登録したグループです。ランキンググラフの表示は、グラフグループに登録されているポイントグループの単位で多い順に並べて表示されます。従って、ランキング表示用のグラフグループを用意するとともに、ランキング表示を行いたい単位でポイントグループを登録しておくようにします。