簡易的な録画を行う場合(最小構成)

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簡易的な録画を行う場合(最小構成)

簡易的な録画を行う場合のシステム構成と設定例(PC1台のみの最小構成)

PC1台のみで簡易的な録画を行うためのシステム構成例について説明します。

 

1台のPCのみで簡易的な録画を行う場合、ネットワークカメラや録画設定のfps値を低く設定してください。簡易的な録画とは、カメラの台数を5台程度までとし、SVGAの解像度で録画のフレームレートを2fps程度として録画する事を想定しています。

 

この構成のポイント

 

1台のPC上で、サーバ(Panel Server)、ビデオレコーダー(Panel Browser)、監視画面(Panel Browser)を動作させます。

録画データの録画先/閲覧先ともサーバ側として設定し、転送設定は使用しません。

同時に接続するカメラの台数を「5台程度」までとし、カメラ本体、録画設定ともにフレームレート値を低く設定します。

 

想定仕様

 

項目

設定値等

補足

動画圧縮方式

MJPEG

「H.264」でも接続可能です。

カメラの画像解像度

SVGA(800*600)

カメラ側で設定。

カメラの画質

普通

カメラ側で設定。

カメラのフレームレート

1fps

カメラ側で設定。5fps以下としてください。

録画フレームレート

2fps

カメラ登録の録画設定から設定。

同時に接続するカメラの台数

5台程度まで

左記を超える台数で録画を行いたい場合は、レコーダー端末PCを分散化することで対応可能です。

 

 

attention

ビデオレコーダーの録画処理はPCの処理負荷が高まる可能性があります。従って、1台のPCのみでシステムを構成する場合、Panel Serverが実行している各種サーバ処理に影響を及ぼす可能性があります。1台のPCのみでシステムを構成する際には、必ず実際に動作検証を行い、アラームやロギングなどのその他の各種機能に影響がないことを確認するようにしてください。処理負荷が高すぎると判断される場合や、高フレームレートでの録画が必要な場合は、「推奨システム構成」を参考に、複数台のPCによる負荷分散を検討してください。

 

 

システム構成のイメージ

 

p_videorecorder_0108

 

 

構成要素

説明

PC

 

1台のPC上で以下の全ての機能を動作させるように構成します。

 

サーバ機能(Panel Server)

 

Panel Serverでは、タグ、アラームやロギングなどの各種サーバ機能を実行します。

 

 

ビデオレコーダー(Panel Browser)

 

ビデオレコーダーのみを動作させるクライアント設定ファイルを用意しておき、Panel Browserで実行します。このPanel Browserが録画処理を行います。尚、このPanel Browserは録画処理に専念させる事とし、通常はアイコンの状態で最小化しておくと良いでしょう。

 

設定

説明

レコーダー登録設定

レコーダー登録を以下のように設定します。

録画先 ・・サーバ側

転送設定 ・・転送しない(チェックを外す)

閲覧先 ・・サーバ側

 

p_videorecorder_0109

 

hint

録画先をサーバ側とした場合、録画ファイルは一旦キャッシュフォルダに保存された後、自動的にサーバ側の公開フォルダ配下に転送が行われる仕組みとなっています(上記の転送設定のチェックとは無関係に、内部的に転送が行われます)。

 

カメラ登録/フレームレート

 

録画のフレームレートを「2」fps程度としてください(※他のサーバ処理に影響のない範囲となるように、負荷を抑えるようにしてください)。

カメラ登録/ファイル分割単位

 

録画ファイルの分割単位を「5」分とします。

自動メンテナンス

自動削除の日数(データを保存する日数)は、実際に保存しておきたい期間、ディスク容量により検討して決定してください。録画データのサイズの目安は「録画データファイルのサイズとディスク容量」を参照してください。

 

 

hint

ダイレクトログインを用いて1台のPC上で複数のクライアントを実行する場合、それぞれのクライアントを実行するための各公開プロジェクトをPanel Serverに登録しておき、別々のPanel Browserからそれぞれの公開プロジェクトにログインするようにします。

 

hint

上記の設定例のように、録画先、閲覧先をサーバ側としておくことで、後からクライアントPCを増設する場合にスムーズに対応することができます。一方で、PC1台でしか運用しない場合は、以下のように設定することでも対応できます。

 

PCのローカルディスクに、プロジェクトフォルダとは別に録画用のフォルダを1つ用意する。
例)C:\videorecorder

レコーダー登録の設定で、録画先をサーバではなく、ローカルディスクのフォルダを指定する(C:\videorecorder)。

録画ファイルの閲覧先にも、上記のフォルダを指定する(C:\videorecorder)。

 

p_videorecorder_0110

 

但し、上記の設定の場合、閲覧先にローカルディスクを設定しているため、他のクライアントPCからの閲覧ができなくなります。導入後にクライアント増設の可能性がある場合は、上記設定は推奨いたしません。

 

 

 

監視画面表示(Panel Browser)

 

グラフィック画面などを表示するためのクライアント設定ファイルを用意し、ビデオレコーダー用のクライアントとは別のPanel Browserで実行してください。録画データの閲覧/再生、グラフィック画面の表示やその他の各種機能の画面表示(アラーム、トレンドなど)は、本クライアント側で行うようにします。

 

hint

ビデオレコーダーと監視画面を1つのPanel Browserのみで実行することも不可能ではありませんが、レコーダーの録画処理が高負荷な状態になった場合に、他のグラフィック画面の表示更新などに影響が生じる可能性があります。従って、録画を実行するビデオレコーダーと、監視画面などの表示は、できるだけ別々のPanel Browserで動作させるようにしてください。

 

attention

クライアントライセンス数に注意してください。PC1台のみであっても、PC上で動作させるPanel Browserの数だけクライアントライセンスを消費します。

 

ネットワークカメラ

以下に、カメラ本体の設定例を紹介します。カメラ本体のチューニングに関する詳細については「カメラ本体の設定とチューニングについて」を参照してください。

 

設定

説明

動画圧縮方式

 

圧縮方式を選択できる場合、「MJPEG」の使用を推奨します。

フレームレート

 

カメラ本体のフレームレートを「5」fps以下に設定します(※PCの処理負荷を抑えるために、低めに設定してください)。

解像度

 

SVGA(800*600)程度にとどめる。解像度が高いほど、処理負荷、データサイズとも大きくなります。

画質

 

目的に合わせた画質を選択してください。「普通」レベルから試し、状況に応じてチューニングしてください。画質が高いほど、処理負荷、データサイズとも大きくなります。

 

 

 

本構成の注意点

 

注意点

説明

同時に接続可能なカメラの台数について

本構成のように最小構成で録画を行う場合、同時に接続可能なカメラの台数は「5台」程度までとし、カメラ本体のフレームレートも5以下程度の設定に下げてください。尚、1台のPCのみでシステムを構成する際には、必ず実際に動作検証を行い、アラームやロギングなどのその他の各種機能に影響がないことを確認するようにしてください。処理負荷が高すぎると判断される場合は、「推奨システム構成」を参考に、複数台のPCによる負荷分散を検討してください。

サーバの二重化が必要な場合

 

PC1台のみの運用の場合、サーバの二重化は行わないようにしてください。サーバ二重化構成でビデオレコーダー機能を使用する場合の詳細については「サーバを二重化構成で運用する場合」の記述を参照してください。

 

attention

本構成のようにレコーダー登録の録画先をサーバ側とした場合、録画データはサーバの公開フォルダに保存されます。保存される録画データのファイルサイズは非常に大きくなる場合があるため、この構成でサーバの二重化を行うと、録画データファイルがサーバ二重化の同期処理の対象となり、サーバの二重化処理全体に悪影響を及ぼす可能性があります。