新規に構造化タグクラスを追加する

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新規に構造化タグクラスを追加する

要約

ここでは、新しい構造化タグクラスを追加する場合のカスタマイズ方法について解説します。

 

DCSサンプルの標準機能では対応されていないPLC側のファンクションブロックと連携させたい場合などは、新規に構造化タグクラスを追加する必要があります。

 

以下に、構造化タグクラスを新たに追加する場合の影響個所(改造作業内容)についてまとめます。

 

(構造化タグクラスを新たに追加する場合の影響個所)

作業手順

要約

備考/注意点など

手順1)

構造化タグクラス定義の編集

 

Panel Serverの画面から構造化タグクラスを新たに追加します。

 

クラス構造の変更はオフライン時のみ行えます。新たなクラスを追加する際は、サンプルのクラス構造が参考になります。構造化タグクラスの編集方法に関する詳細は本マニュアルの「構造化タグ編」を参照してください。

 

設計のポイントは以下のとおりです。

 

どのメンバをPLCと接続するのか

値の保持が必要なメンバの洗い出し

メンバ同士の演算が必要か(構造化タグフィルタ機能の検討)

警報の検出ロジック(警報一時除外などの実装検討)

 

手順2)

エンジニアリングツールの編集

 

ポイントリスト(Excel)に新たなクラスのシートを追加してください。

 

ポイントリストのフォーマットを変更する際には、ポイントリストのヘッダ定義およびExcel式による実タグアドレス生成処理に矛盾が生じないように注意してください。

尚、新規クラス追加時についても、エンジニアリングツール本体のVBAアプリケーション部分については、大半の場合、改造する必要はありません。

手順3)

詳細ダイアログへの項目追加

 

新たに追加されたクラスに対応した詳細ダイアログフォームを追加します。

 

サンプルソースコードをもとに、新たにダイアログを追加します。

手順4)

フェースプレート部品への項目追加

 

新たに追加されたクラスに対応したフェースプレート部品を追加します。

 

サンプルソースコードをもとに、新たにFP部品を追加します。

手順5)

グラフィック部品への改造内容反映

 

必要に応じて、グラフィック部品およびCORE側のシンボルロジックに項目追加の反映を行います。

 

サンプルソースコードをもとに、項目追加を行ってください。

手順6)

個別機能への改造内容反映

 

必要に応じて、個別機能に対する改造内容の反映を行ってください。

 

サンプルソースコードをもとに、必要に応じて項目追加を行ってください。

 

アナンシエータ

トレンドグラフ

アラームサマリ

サマリアクション(日報)

信号リスト画面、等。

 

 

 

カスタマイズの内容

ここでは例として、新規クラスとして「2PIDクラス」を追加した場合のカスタマイズ手順をもとに解説します。

 

このカスタマイズでは、三菱電機タグファンクションブロック・ループタグの2自由度型PID制御(M_2PID)と接続するための構造化タグの追加を行います。左記はPIDクラスとメンバ構造が酷似しているため、標準で用意されているPIDクラスの定義内容を流用することができます。M_2PIDの仕様については、PX Developerの「プログラミングマニュアル」を参照して下さい。

 

また、2PIDクラスのメンバ構造の資料として、「specification_structtag_melsec_m2pid_custom.pdf」を用意しています。

以下からダウンロードのうえ、本頁の記載内容と併せて参照してください。

 

 

追加項目

内容および設定値

2PIDクラスの新規追加

追加するメンバ構成の内容および設定値については、上からダウンロード可能なドキュメント、

 

  specification_structtag_melsec_m2pid_custom.pdf

 

の記述内容を参照してください。

 

 

DCSサンプル側の画面としては、フェースプレート画面および詳細画面にて、読込/書込が行えるように改造します。

 

 

具体的な手順については、以下の各詳細ページを参照してください。

 

作業

要約

手順1)構造化タグクラス定義の編集

 

Panel Serverの構造化タグクラス定義に以下を追加します。

 

【クラス名】

MELSEC.QnPH.2PID

 

【メンバ設定】

「specification_structtag_melsec_m2pid_custom.pdf」の、2PIDクラスに準拠

 

※2PIDクラスは既存のPIDクラスへ「2自由度パラメータα」および「2自由度パラメータβ」が追加されたメンバ構成となります。

 

手順2)エンジニアリングツールの編集

 

手順1で新たに追加したクラス(2PID)について、実タグと構造化タグの登録が行えるようにポイントリストを編集します。なお、インスタンス名は「M_2PID」とします。変更したポイントリストを使用して、Panel Serverの各種設定登録を行います。

 

手順3)詳細ダイアログへの項目追加

 

ポイント情報を表示するためのダイアログ画面について、2PID用の画面を作成します。

 

手順4)フェースプレート部品への項目追加

 

2PID用のフェースプレート部品を作成します。

 

手順5)グラフィック部品への改造内容反映

 

2PID用のグラフィック部品を作成します。

 

手順6)個別機能への改造内容反映

 

信号リスト画面の表示項目、検索条件の追加、およびアナンシエータ画面の連携処理を追加します。