稼働監視の設備とデータ収集/集計分類

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稼働監視の設備とデータ収集/集計分類

概要

ここでは、PA-Panelの稼働監視における「設備」の概念と、稼働状況の収集と集計分類に関する事項について説明します。

 

設備とは

稼働状態の収集

稼働状態の集計分類について

生産実績の収集

 

 

設備とは

稼働監視機能では、システム上での監視対象の管理単位の事を「設備」と呼びます。

 

システム上の設備に対して、現実世界の監視対象を自由に割り付けることができます。例えば、生産のための工作機などの機械設備を設備として割り付けたり(機器単位の運転、停止など)、生産ライン、あるいは生産工程などの概念を設備として管理することもできます(ライン全体の運転、停止など)。設備の登録は、稼働監視の設定登録画面から行うことができます。システムに登録された設備の情報は、様々な画面から利用されます。例えば、稼働状況モニタ画面では、1つの表示枠に対して1つの設備が割り当てられます。

 

(稼働状況モニタの表示枠)

p_machinestatusmonitor_0050

 

 

■登録可能な設備数の上限

 

稼働監視機能に登録可能な設備の数は、標準で最大30設備までとなっています。

 

 

■設備IDについて

 

稼働監視機能の内部では、設備の情報を管理するための領域として、あらかじめ30設備分の領域が用意されています。各設備の領域には、1から始まる連続した番号が付与されており、この番号のことを「設備ID」と呼びます。設定画面から設備の情報を登録する際には、設備に対して設備IDを付与する必要があります。

 

 

attention

稼働監視の運用を開始した以降に、設備の登録情報(設備ID、状態ID、集計分類など)の設定を変更する際の重要な注意事項があります。詳細については「(重要)運用開始後の設定変更における注意事項」を参照してください。

 

hint

登録可能な設備数は、標準の設定では30設備までを上限として設定されていますが、この上限は最大100設備まで増やすことができます。設備数の上限の増やし方については、稼働監視のカスタマイズの「設備数の上限を増やす」に記述されています。

 

 

稼働状態の収集

稼働状態とは、例えば、「運転中」「停止中」「異常」「呼び出し中」などの設備の状態の事です。

 

稼働監視機能では、PLCやリモートI/Oなどからタグを介して設備の稼働状態を収集します。設備に対する稼働状態の検出条件となるタグや条件式の割り付けを行う事で、各稼働状態のON時間、ON回数等のロギング、集計が自動的に行われる仕組みとなっています。

 

p_machinestatusmonitor_0051

 

尚、設備毎に登録できる稼働状態の種類としては、最大10種類まで登録が可能です。

 

 

■状態IDについて

 

稼働監視機能の内部では、設備の稼働状態を管理するための領域として、設備毎に10個分の領域があらかじめ固定的に割り当てられています。これらの稼働状態の領域には1から10までの連続した番号が付与されており、この番号のことを「状態ID」と呼びます。

 

 

attention

稼働監視の運用を開始した以降に、設備の登録情報(設備ID、状態ID、集計分類など)の設定を変更する際の重要な注意事項があります。詳細については「(重要)運用開始後の設定変更における注意事項」を参照してください。

 

 

稼働状態の集計分類について

稼働状態の時間集計における重要な考え方として、「集計分類」があります。集計分類は、「稼働」「稼働停止」「異常」「その他」という4種類で構成されており、設備に割り付けられた各稼働状態は、必ず、いずれか1つの分類に属する必要があります。

 

以下は、集計分類の割り当ての例です。

 

p_machinestatusmonitor_0052

 

集計分類は様々な場所で利用されます。例えば、稼働監視の時間集計処理では、集計分類の単位で集計が行われます。集計分類単位の時間集計値は、稼働監視機能の各画面から利用されます。例えば、タイムライン画面のガントチャート表示では、集計分類(稼働時間、停止時間、異常時間、その他時間)に従って色分け表示が行われます。

 

(タイムライン画面の例)

p_machinestatusmonitor_0053

 

 

又、稼働分析画面では、稼働時間、異常時間、停止時間、その他時間に関する詳細なデータの表示を行います。

 

(稼働分析画面の例)

p_machinestatusmonitor_0054

 

 

attention

稼働監視の運用を開始した以降に、設備の登録情報(設備ID、状態ID、集計分類など)の設定を変更する際の重要な注意事項があります。詳細については「(重要)運用開始後の設定変更における注意事項」を参照してください。

 

 

生産実績の収集

設備では、稼働状態の収集とは別に、生産実績の収集のための設定を行うことができます。生産実績とは、対象設備で実際に生産された製品の数量の事です。生産実績の取り込みについても、PLCやリモートI/Oなどからタグを介して行います。

 

生産実績の取り込み方法には、以下のいずれかの方法があります。

 

取り込み方法

概要

下位側機器でカウントされた生産個数を受け取る

 

この方法では、日単位の生産数量のカウントアップをPLCなどの下位側機器で行い、タグを介して数値として受け取ります。尚、この方法では、日の変わり目などの適切なタイミングで、下位側でカウントされた生産個数のカウンタが自動的にリセットされる事を前提とします。

 

生産のトリガをパルスで受け取る

 

この方法では、生産が行われた事を示すトリガとなる信号を受け取り、トリガの条件が成立した回数を稼働監視の機能によってカウントアップして生産数量を求めます。ここで、トリガとなる信号とは、例えば、プレス機のショット信号や、製造設備の完了信号など、生産が行われる都度、一定時間ONになる信号です。

 

hint

生産実績のタグの読み込みは1秒周期で行われます。生産トリガのパルス信号の立ち下がりが早すぎるとカウントの取りこぼしが発生する場合があるため、PLCなどの下位側の仕組みによって一定時間ONとなるように値を保持してください(目安として、2秒~3秒程度は保持させるようにしてください)。

 

 

生産実績の取り込みの設定方法に関する詳細については「生産実績設定」を参照してください。

 

 

hint

稼働監視を行う上で、生産実績の収集は必須ではありません。設備の運転、停止などの基本的な稼働状態のみで簡易的な監視を行うこともできます。「稼働監視の実践」では、簡易的な稼働監視の構築例も含め、導入目的に応じたシステムの構築例が具体例とともに紹介されています。