接続例【FA-M3Vシリーズ】

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接続例【FA-M3Vシリーズ】

概要

横河電機FA-M3VシリーズにFL-PCIを介して接続する例です。その他機器との接続も同様の手順で接続を行います。以下の構成の場合、FL-net (OPCN-2 ver.2)で通信を行い、サイクリック伝送接続を行います。

 

サイクリック伝送は、伝送を行うノード間で、共通のメモリとして扱うことのできる機能を提供します。共通のメモリは「コモンメモリ」と呼ばれ、領域1と領域2の2種類があります。コモンメモリは、FL-netのネットワーク全体で、領域1が0.5Kワード、領域2が8Kワードの領域が定義されています。1つのノードは領域1と領域2それぞれに、自分自身のデータ領域を割り付けることができます。領域の設定は、ワード単位で、領域の先頭アドレスとサイズを指定することにより行います。

 

自分自身に割り当てた領域に対しては、書き込み(値の変更)ができます。他のノードの領域に対しての書き込みはできません。

 

使用機種

 

項目

機種等

PLC側

CPU

SP71-4S


通信ユニット

LX02-1N

パソコン側

FL-netボード

FutureNet FL-PCI/V2-100L

 

設定環境

 

項目

機種等

PLC側

OS

Windows8 Professional 64Bit


ツール

WideField3 Ver R2.04

パソコン側

OS

Windows8.1Professional 64Bit

 

設定詳細

項目

設定

設定項目

設定例

PLC側の設定

スイッチ設定

IPアドレス

192.168.250.2


自動設定

ノード

2


ツール設定

メモリ領域1先頭

4



メモリ領域1サイズ

4



メモリ領域2先頭

4



メモリ領域2サイズ

4



トークン監視時間

15

パソコン側の設定

ユニット設定

IPアドレス

192.168.250.1



ノード

1


ツール設定

メモリ領域1先頭

0



メモリ領域1サイズ

4



メモリ領域2先頭

0



メモリ領域2サイズ

4



トークン監視時間

15



最小フレーム間隔

10

 

hint

FA-M3Vシリーズの場合、領域1はリンクリレー(L)に、領域2はリンクレジスタ(W)に値がリンクするようになっています。よって、サイクリック伝送による接続により、リンクリレーやリンクレジスタとの通信を高速に行うことができます。

 

 

PLC側の設定

FA-M3Vシリーズの設定はスイッチとWideField3などで設定を行います。

 

1.スイッチを以下のように設定する
c_plc_0710
 

スイッチ

説明

設定内容(16進数)

条件SW1

OFF固定

OFF

条件SW2

OFF固定

OFF

条件SW3

OFF固定

OFF

条件SW4

通信ポート設定

※右側の設定で10BASE-T

ON

条件SW5

OFF固定

OFF

条件SW6

OFF固定

OFF

条件SW7

OFF固定

OFF

条件SW8

OFF固定

OFF

IPアドレスSW1

IPアドレス上1桁目設定

※右側の設定で「192」

C

IPアドレスSW2

0

IPアドレスSW3

IPアドレス上2桁目設定

※右側の設定で「168」

A

IPアドレスSW4

8

IPアドレスSW5

IPアドレス下2桁目設定

※右側の設定で「250」

F

IPアドレスSW6

A

IPアドレスSW7

IPアドレス下1桁目設定

※右側の設定で「2」

0

IPアドレスSW8

2

 

hint

条件SW4はOFFにすると「自動」となります。ただし、1:1のクロス配線や、使用するハブによってはオートネゴシエーションが機能せず接続できないケースがあります。その場合は、10BASE-T指定にしてください。

 

hint

IPアドレスは16個のロータリースイッチにより設定します。設定はIPアドレスのそれぞれの桁を16進数で表し、設定します。

 

hint

スイッチの設定内容等の詳細については、横河電機「FL-net(OPCN-2)インタフェースモジュール取扱説明書」を参照してください。

 

2.WideField3とCPUユニットを接続する
 

3.対象通信ユニット(F3LX02)を選択して、IPアドレスが正しく設定されていることを確認する
c_plc_0711
 

4.「ツール」-「I/Oモジュール設定」-「FL-net」を選択し、FL-net設定モニターを開く
 

5.「ファイル」-「新規」から、設定画面を表示し、以下の設定を行う
設定はノード「2」に対して行います。ノードはIPアドレスの4桁目の値が自動的に使用されるため、ここでは「192.168.250.2」の「2」が該当します。
c_plc_0712
 

設定

設定内容

領域1先頭

4

領域1サイズ

4

領域2先頭

64

領域2サイズ

64

トークン監視時間

15 ※環境に合わせて設定

 

6.「FL-net」書込から書込みを行う
c_plc_0713

 

7.書込み完了後、パソコン側の設定を行う
 

 

パソコン側の設定

パソコン側の設定は以下のとおりです。

 

1.FL-netのPCIボードが正しく装着されていることをデバイスマネージャーなどで確認する
c_plc_0714
 

2.サーバーアプリケーションを起動し、ツリーの「Application」-「Driver」を右クリックして、ドライバの追加を選択する
 

3.表示されたドライバ一覧から以下のユニットを選択し、追加を行う
c_plc_0715
 

4.追加されたユニット(U01)のプロパティを開き、通信設定をクリックする
c_plc_0716
 

5.「通信設定」で以下のように設定を行う
c_plc_0717
 

項目

設定内容

IP アドレス

192.168.250.1

ノード番号

1

PCカード

1枚目

 

6.「通信設定」で以下のように設定を行う
c_plc_0718

 

項目

設定内容

ノード名

自由に名称を設定可能

書込最小通信インターバル

0

待ち時間

3000

トークン監視間隔

15

最小フレーム間隔

10

コモンメモリ開始1 アドレス

0

コモンメモリ開始1 サイズ

4

コモンメモリ開始2 アドレス

0

コモンメモリ開始2 サイズ

64

 

hint

書込最小通信インターバルは、一度書き込みを行ってから次の書き込みを行うまでの、パソコン側の待ち時間を指定します。エラーコード「28」のエラーが発生する場合は、書込最小通信インターバルを5,10,15...と5msから5msずつ時間を調整してください。

 

 

hint

トークン監視間隔は適切な値を設定してください。トークン監視間隔の算出方法については、「トークン監視間隔算出方法について」を参照してください。

 

7.接続確認を行う
接続先ノードは自ノード以外の機器を指定してください。ここではFA-M3Vのノードを指定しています。
c_plc_0850

 

「接続OK」といったメッセージが表示されれば、接続確認OKです。

 

8.タグの設定を行う
本パッケージでは領域1に対する通信は「CA」を用います。領域2に対する通信は「CB」を用います。領域1のアドレスは0から511まで設定可能です。領域2のアドレスは0から8191まで設定可能です。ワード単位だけではなく、ビット単位・バイト単位・ダブルワード単位・自由単位(1から32ビットまで任意のサイズ)で読み書きができます。
c_plc_0720

 

hint

設定例)

領域1のアドレス「000」の3ビット目に対して、ビット単位で読み書きを行いたい場合、次のように設定します。
c_plc_0721

 

9.オンライン接続を行い、タグが正常に接続され、タグのクオリティがGOODになることを確認する

 

 

FL-netへの参加確認

パソコン側の設定が完了し、接続OKとなった場合、WideFieldでFL-netのネットワークの状況を確認します。
 

「FLnetの設定とモニター」から「参加更新」ボタンを押下し、ネットワークの参加状況を確認します。また、「設定」-「FLnet全ノード状態表示」を選択することで、他ノード(ここではパソコン側のFL-netボード)のコモンメモリの設定を表示することができます。

 

c_plc_0722