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アラームサマリ/アラーム履歴とは
アラームとは、監視対象の設備で故障が発生した際や、温度や圧力、水量などの数値が平常時と異なる値になった場合などに、監視対象設備で異常が発生したという事をオペレータに対して伝えるための警報監視機能の総称です。
一般的に監視制御システムでは、現在発生しているアラームを画面上に表示する機能、警報発生時に警報音を鳴動させる機能、そして、発生したアラームの履歴を検索して表示するための機能が求められます。
以下に、標準フレームワークをもとに、具体的な例を挙げます。
平常時の監視画面では、オペレータは様々なグラフィック画面やトレンドグラフ、レポート画面などを目的に応じて表示して、操作対象の機器の運転操作や、設備の運転状況のチェックなどを行います。
このように、平常時はアラームを意識することはありません。
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アラームが発生すると、画面下部に現在発生中の警報が点滅表示されるとともに、警報音が鳴動し、アラームが発生したことを即座に伝えます。
ここで、現在発生中のアラームを表示する仕組みのことを「アラームサマリ」と呼びます。
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画面左のメニューからアラームサマリを選択すると、メインエリアにアラームサマリ画面を表示することができます。この画面から、アラームの発生状況の把握や、アラームに対する確認などの各種操作を行うことができます。
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画面左のメニューからアラーム履歴を選択すると、メインエリアにアラーム履歴画面が表示されます。この画面から、過去に発生したアラームの履歴情報を調べることができます。
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アラームサマリ画面
現在発生中のアラームを一覧形式で表示する機能のことを「アラームサマリ」と呼びます。
アラームサマリでは、以下の情報を知ることができます。
•何のアラームが、いつ発生したのか?
•現在発生中のアラームは何か?(まだ発生中か、すでに復帰したか)
•発生したアラームの重要度(警報レベル)
標準フレームワークのアラームサマリでは、画面下部の共通エリアと、メインエリアのアラームサマリ画面が用意されています。共通エリアは全ての画面上に共通的に表示されるため、アラーム以外の画面を表示している状況でも、オペレータは警報の発生を見逃すことはありません。
アラームが発生すると、画面下部のアラームサマリは以下のような表示になります。
上記では、「メッセージ」の欄にアラームのメッセージ(警報の内容)を表示するとともに、「発生」の欄にアラームの発生日時を表示しています。又、「警報レベル」には発生したアラームの重要度が表示されています。そして、「確認/復帰」の欄はブランクとなっており、対象のアラーム表示の行を点滅表示することによって、このアラームが現在も発生中である事がわかります。
尚、アラームには、「発生」と「復帰」という考え方があり、アラームの検出条件が成立した時を「発生」とし、検出条件が成立しなくなった時を「復帰」とみなします。アラームサマリや履歴では、発生、あるいは復帰を検出した日時が記録されます。
■アラームの確認とは
監視対象の設備上で何らかのアラームが発生した事によって設備が停止してしまった場合には、停止の原因となったアラームを特定する必要があります。しかし、アラームの中には一瞬だけ発生してすぐに復帰してしまうものもあります。そのような種類のアラームの場合、アラームの復帰によりアラームサマリの表示から即座に消えてしまうと、オペレータは何が起きたのかを知ることができません。
そこで、発生したアラームに対し、オペレータが確認操作を行うまではアラームサマリに表示された状態のまま保持しておく機能が必要となります。この機能の事を、「アラームの確認」と呼びます。FA-Panelのアラーム機能では、各アラームに対して「確認あり」なのかどうかを個別に定義する事ができるようになっています。
標準フレームワークのアラームサマリでは、「確認あり」として定義されたアラームが未確認の状態で復帰すると、アラームサマリは以下のように、「確認/復帰」の欄にアラームの復帰日時が表示され、表示色は水色で点滅表示された状態になります。
そして、画面下部の「一括確認」ボタンをクリックすると、復帰かつ未確認だったアラームは確認済となり、アラームサマリのリストから消去します。
一方、「確認あり」のアラームが発生中の状態で(まだ復帰していない状態で)、画面下部の「一括確認」ボタンをクリックすると、「確認/復帰」の欄に確認日時が表示されるとともに、表示色は点滅から点灯に切り替わります。
その後、アラームが復帰すると、既に確認済のアラームが復帰したため、アラームサマリのリストから自動的に消去します。
アラーム履歴画面
アラーム履歴とは、アラームの発生、復帰、確認などの過去の履歴情報を一覧形式で表示するための機能です。例えば、複数のアラームが発生した際などに、アラーム履歴から対象のアラームの発生順序を調べることによって、どのアラームが原因となって他のアラームが連鎖的に発生したのかを知る事ができます。あるいは、目的の機器で過去にどのようなアラームが発生したのかを検索して調べることもできます。
FA-Panelのアラーム履歴では、アラームのメッセージ、警報レベルのほか、発生、復帰、確認の各日時を時系列で表示することが可能であり、対象のアラームがいつ発生し、復帰、あるいは確認が行われたのかを知ることができます。また、過去に発生したアラームの履歴情報の中から、フィルタに任意の文字列を指定した絞り込みや、日付による範囲を指定した検索を行うことができます。
例えば、以下のような履歴が表示されている状態で、メッセージに「52F1」を含むアラームのみに絞り込みたい場合、フィルタに「52F1」と入力して検索を行います。
すると、リストの内容は、メッセージに「52F1」を含むアラームの履歴のみに絞り込まれました。
その他、日付による範囲選択や、警報レベルによる絞り込みも可能です。