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マニュアルの読み方
本章はリファレンス情報のみ記述されています。
構築手順につきましては、監視システム構築ガイドの「ロガーアクションの利用」を参照ください。
本アクションの特長
ロギング機能を提供するアクションとして、「ロガーアクション」(本アクション)と、「サマリアクション」が用意されています。両者にはそれぞれ特徴があります。例えば、ロギングとあわせて日報集計、帳票作成などを行いたい場合は、サマリアクションを選択してください。両者の違いについては、本ページの「サマリアクションとの違い」の比較表を参照してください。 |
ロガーアクションは、PLCから収集したデータをCSVやODBCデータベース(対応データーベースについてはこちら)へ履歴データとして保存するためのアクションです。また、ロガーアクションはヒストリカルデータサーバ機能も含んでおり、本アクション経由で保存したロギングデータを取得できます。ヒストリカルデータサーバ機能については、ヒストリカルデータサーバアクションを参照して下さい。
ロガーアクションによるロギング処理は、トリガとなるイベントから実行される事によって行われます。
このイベントの発生条件をどのような設定にするのかによって(定周期的なロギングを行うのか、タグ値がある条件を満たす時のみイベントログを出力したいのか等)、ロギングに関する様々な要件を満たすことができます。
下図は、ロギング処理のフローです。
①イベント発生
ロガーアクションはイベントの発生をトリガとして実行されます。ロガーアクション1回の実行で、1レコードがDBへ保存されます。イベントには「定周期イベント」「定刻イベント」「タグイベント」の3種類があります。各イベントとロガーアクションの関係は以下となります。
|
オンライン開始から、指定周期でロギングを行います。 |
|
決まった時刻にロギングを行います。毎分や毎正時などの時刻でロギングが可能です。 |
|
タグ値の評価によってロギングを行います。 |
②データ収集
ロガーアクションがイベントにより実行されると、必要なデータを収集します。デバイス値によるロギング、又はタグキャッシュ値によるロギングのいずれかを選択できます。設定はタグフィールドの設定で切り替えます。
③ログデータのキャシュへの保存
データ収集で集められたログデータは、DBへ保存する前に一旦メモリ上のキャシュに保存されます。その後、随時DBへ保存されます。
この仕組みにより、DBの負荷に影響されない安定したロギングが可能となります。例えば、イベント型のログをとる場合、大量のデータが同時に変化すると一時的にログの負荷が増えますが、そのような場合でもキャシュを介した仕組みにより安定したロギングが行われます。設定はロガーアクションのログ詳細で設定します。
④DBへの保存
キャッシュ値をDBに保存します。CSVファイルへのロギングの場合、1件毎にディスクに書き出す以外にも、ハードディスクへの負荷を軽減する目的で複数レコード分まとめてハードディスクに書き出す機能(フラッシュ設定)が用意されています。
ロガーアクションの種類
ロガーアクションには以下の2種類があります。
種類 |
解説 |
ロガー(CSV) |
ログデータをテキストファイル(CSV形式)に保存します。
|
ロガー(ODBC) |
ログデータをデータベース(ODBC)に保存します(対応データーベースについてはこちらを参照してください)。
|
ログデータをデータベースに保存したい場合には、ロガー(ODBC)アクションを利用することができます。特にデータベースを利用しない場合は、CSVファイルを利用したロガーアクションを使用してください。
ロガーアクションはVer4以前のバージョンで開発された機能であり、ロギング処理のみに特化した機能です。一方、サマリアクションはVer5から新たに追加された機能であり、ロギング機能と集計処理、レポート作成機能が統合された機能構成となっています。
もし、タグの値をロギングする処理のみを構築したい場合は、ロガーアクション、サマリアクションのどちらを使用してもロギングを実現することができますが、両者にはそれぞれ以下のような特徴があります。どちらのアクションを選択するべきかは、それぞれの仕様と用途により選択してください。
ロガーアクションとの比較
ロガーアクション |
サマリアクション |
|
ログ機能の高速性 |
ミリ秒単位でのロギングが可能です。 例えばCSVファイルへの保存の場合、HDDの書き込み速度やPLCとの通信速度等に異存しますが、数十ミリ秒程度でのロギングが行えます。 |
最速で1秒周期のロギングが行えます。ミリ秒周期のロギングには対応していません。 |
ロギング対象タグの設定方法 |
Panel Serverの画面上で、目的のタグをドラックアンドドロップする等の操作により設定することができます。 尚、1つのアクションにつき1つのデータベース(CSVの場合1ファイル、ODBCの場合1テーブル)に対応します。複数のCSVファイルやテーブルに保存したい場合は、複数のアクションを並列して定義する必要があります。 |
サマリアクションの設定ファイル「タグフィールドマスタ」(テキストファイル)に、ロギング対象のタグパスを設定します。 タグフィールドマスタは、Excelやメモ帳などを用いて手動で設定します。 尚、あらかじめデータベースの最大列数を定義しておく事で、実行時に自動的に複数のデータベース(CSVの場合複数ファイル、ODBCの場合複数テーブル)に分割して生成されます。 |
ログ形式 |
時系列の一般型ログの他、イベント型ログの生成も可能。
|
時系列の一般型ログにのみ対応。
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集計機能 |
無し。
本アクションはロギングのみ行えます。また、本アクションで生成されたヒストリカルデータをサマリアクションで集計することはできません。
|
有り。
サマリアクション自身が生成したヒストリカルデータ(ロギングデータ)をもとに、合計、平均、最大、最小などの各種統計方法での集計処理を自動的に行います。 又、各フィールドの集計データ同士で演算を行い、演算結果を集計データとして保存する事などができます。
|
レポート機能 |
無し。
本アクションはロギングのみ行えます。また、本アクションで生成されたヒストリカルデータをサマリアクションで集計することはできません。
|
有り。
レポート作成機能を内蔵。サマリアクション自身が集計した集計データをもとに、レポート作成を行います。
|
ヒストリカルデータサーバ機能 |
有り。
クライアントとなるPanel Browserから、ヒストリカルグラフコントロールやヒストリカルデータコントロールを介してヒストリカルデータへのアクセスを受け付けます。
|
有り。
(同左) |
ミリ秒単位などの高速周期でロギングを行いたい場合や、単にロギングのみを行いたい場合はロガーアクションを用います。一方、ロギング周期が1秒以上でOKでかつ日報集計などを行う必要がある場合は、サマリアクションを使用します(※日報集計を行う必要がある場合はサマリアクションを選択する必要があります)。サマリアクションに関する詳細は、「サマリ」を参照して下さい。 |
ログデータの保存形式には、大きく分けて「一般型ログ」と「イベント型ログ」の2つの形式があります。一般型ログは一定周期、あるいは定刻にログデータをフィールド毎に保存していく方法です。イベント型ログはタグ値の変化や、タグ値がリミット値を超えた時などをトリガとしてログデータを保存していく方法です。また、前述の2つの形式を混在させて出力することもできます。この方式のことを「混在型ログ」と呼びます。
1.一般型ログ
時刻 |
ms |
温度1 |
温度2 |
温度3 |
圧力 |
バルブ1 |
バルブ2 |
2003/1/1 10:12:00 |
10 |
10.5 |
32.8 |
40.7 |
5.5 |
TRUE |
FALSE |
2003/1/1 10:12:10 |
10 |
10.7 |
32.6 |
40.6 |
5.4 |
FALSE |
TRUE |
2003/1/1 10:12:20 |
10 |
10.8 |
32.4 |
40.8 |
5.3 |
TRUE |
FALSE |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
2.イベント型ログ
時刻 |
タグ |
値 |
コメント |
2003/1/1 15:11:12 |
温度1 |
15.1 |
上限値を超えました。装置をチェックして下さい。 |
2003/1/1 15:21:18 |
圧力 |
5 |
正常値に戻りました。 |
2003/1/1 15:23:25 |
バルブ1 |
1 |
バルブOPEN。 |
2003/1/1 15:28:12 |
温度1 |
15 |
正常値に戻りました。 |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
3.混在型ログ
時刻 |
タグ |
値 |
コメント |
バルブ1 |
バルブ2 |
2003/1/1 15:11:12 |
温度1 |
15.1 |
上限値を超えました。装置をチェックして下さい。 |
FALSE |
FALSE |
2003/1/1 15:21:18 |
圧力 |
5 |
正常値に戻りました。 |
FALSE |
FALSE |
2003/1/1 15:23:25 |
バルブ1 |
1 |
バルブOPEN。 |
TRUE |
FALSE |
2003/1/1 15:28:12 |
温度1 |
15 |
正常値に戻りました。 |
TRUE |
FALSE |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
・・・ |